翼をよこせ

スポンサーリンク

こんにちは、もずです。

先日、羽根を求めて街へ。行ってきました。脳内BGMは「翼をください」……では無くローリング・ストーンズの「ブラウンシュガー」だったな……これ書いてる今もそう。

……久しぶりに聴いたら、あらあら、いいじゃないてなってハマってしまって、歌詞調べたら、思いの外、濃い闇の気配を感じて困っています。感じつつでも頭の中止まないミュージック……! まあ、それは今はまあ、いいや。

街へ行って来たんですよ。羽を求めて。本当にまごう事無く、羽です。

……消しカスと言う名の魔を払う、退魔の羽……

「製図用羽箒」!

汚物は消毒なら、カスは除去ってなもんで。除去。いいですよね除去。声に出したい日本語……

ジョキョ!

行ってきたんですよ求めて街へ、羽箒買いに。

最寄りの駅周辺の、文具もそこそこ扱ってる本屋とか、ドン即キホーテとか覗いたものの、予想通り無くて。で、やはりあそこか、と。この地より更に栄えた地の駅……そこに内包されるビルの中に、フロアブチ抜きで居を構える、エル・オー・エフ・ティー……L O F T にね、向かいました。

「ロフトならまず、大丈夫だろう。早々に羽を手に入れたら、時分時でもある事だし、彼の地のラーメンでも啄んで帰ろう。そして羽の力を存分に堪能しようではないか」

そんな事を思いながら電車で移動、人混みをすり抜け、駅ビル内のロフト、文房具フロアに一直線。フロア到着後、ダイアリーやシステム手帳を横目に、万年筆やらシャーペン、消しゴムコーナーに猛禽の目を走らせつつ、奥へ。そして目に入る「デザイン」の文字。

……そこか。足を踏み入れるまでもなく、その一角では画材を扱っていると分かる。

……狩りの時間だ……もろたで、工藤!

前傾姿勢でコーナーにイン! そこだ!「漫画用」……無い? こっちか「色鉛筆」……無いな。こっちは……「油絵用」違うな……じゃこっち「書道用」……あるわけも無し。

……え、無い? 嘘。……な、無いだってーーーー!? って嘘だろ、本当に無いの? バカな。ええ? 何、この地の絵描きは「最早消しゴムなどいらぬ」レヴェルにぜいいん達してしまっているの? 至ってるの? ハハ、んなわけないっしょ。おかしいっしょ。ハハハ。

姿勢を完全に崩し、フラフラと同じところをぐるぐると巡る。ここには無いと認めるまで何周したろう? 「ここには無い」……が。

「ロフトに、俺達のL O F T に求める翼が無い訳がない!」

どこかにきっとある! どこだ!? っそうだ「製図用」! 製図用品コーナー! ……無い!! っ無いのかよ!

じゃ別フロア! 下の「手芸クラフト」! は、やっぱ無かったわ……。

……本当に、無い。途方に暮れる百舌鳥が一羽……。

……もう、ネットで、注文するか……そうだな……買いに求めてきたこのロフトで、数多の文房具、画材、製図用品に囲まれた中、Amazonでポチる……そんなプレイもまた一興…………いや、ダメだ! 今日、狩って、帰るんだ! ……ここで打てる手もまだ残っている……最後の手段……「店員さんに聞く」が!

ハードルは高い、が、飛び越えてやるさ百舌鳥だもの。最初のフロアに戻り、手の空いてそうな店員さんを探す……いた! が……くっ……いや、行ける、行く! 「清潔感あふれる、ちょっと可愛い女性店員」何するものぞ! 突撃!

「ああ、あんのぅ、こここうゆうの探してるんすけど(翼をよこせ!)」手っ取り早くAmazonの検索画面を堂々と見せつける。(どこだ!)

「ああ、これでしたら、すぐそこに有りますよ」

!?

「こちらです」

???

「これですよね?」

「ゔぁああっ」 変な声出た、本当に。

……求める羽……それは確かにそこにあった……製図用定規の棚の脇の下に……。

「こんなところに……」

ありがとう、店員さん……感謝と感動に満ち、しゃがみこんで恐らく半笑いで羽を愛でる自分は結構、危険な印象を少なからず与えてしまった可能性がある……だとしたら、ごめんなさい、店員さん。そして、改めて有難う。貴方が女神か……!

花を摘むように、優しく羽を抜き取り、この際だからとコピックのマルチライナーも数本狩って、帰路に着く。時は過ぎ、半端な時間になってしまったのでラーメンはまたにしよう。

ーー電車に揺られ、羽の入った袋を眺ながら、今日の狩りに思いを馳せるーーーー

ーー……いや、そこじゃねえだろ。

なんだ、「製図用定規の棚の脇の下」って。わかるか!

画材のとこか、製図用品のとこなら「製図用定規・ブラシ」とか! 消しゴムんとこでもいいわ!

あるだろう! こう、もっと! もっとさあ! もっと……。

ーー夕刻ーー。巣に戻った百舌鳥に、狩った喜びよりはもちろんあったが、空腹と理不尽さへの怒り故の乾きが、羽の力を試すよりも、ビールを選ばせた。……沁みた……美味かった。

ーーこうして、これを書いている今も、羽は袋に入ったまま。だってこれ書いてるんだもん。しょうがないよね。喉越し最高!